2015年3月19日木曜日

バイク芸人がいてクルマ芸人がいない理由

人気の深夜番組『アメトーーク』で人気を博していると言われるカテゴリー、バイク芸人。オートバイに関する仕事に携わる身としてその話題性は無視できない大きさで、一時はバイク芸人に関するウェブコンテンツを手がければアクセス数がしっかり取れたほどでした。

しかしながら、同じ乗り物というカテゴリーで言えば、クルマ芸人というのが出てきても不思議ではありません。しかし後にも先(?)にもクルマ芸人というのは出ていません。どちらかと言えば、趣味のクルマを楽しんでいる芸能人やお笑い芸人が多いであろうにもかかわらず。

要するに、イメージに対する圧力があるのでしょう。

オートバイのコマーシャルを見る機会は極めて少ないですが、クルマのコマーシャルは何度となく見かけますよね。ひとえにマーケットの違いに他ならず、趣味性の高いオートバイとは比べるべくもありません。動くお金が大きければ、大々的に広告を出せるわけですから。

各社ともさまざまなコマーシャル展開をしているクルマ業界。それぞれが趣向をこらし、ある企業は旬の芸能人やプロスポーツ選手を贅沢に使ったり、ある企業は可愛らしいキャラクターを用いて子どもの支持率を高めたり……。

そこに、お笑い芸人が「このクルマに乗っています!」と出てきたら……企業が打ち出したいイメージが崩れる可能性大、ですよね。せっかくの広告宣伝費が、それだけで塗り替えられてしまうわけです。

これだけTVコマーシャルがたくさん出ていれば、当然番組(TV局)のクライアントでもあるでしょうから、番組制作サイドとしては、「せっかく自社ブランドのイメージを打ち出している製品に余計な色はつけてくれるな」というクライアントの機嫌を損ねる企画なんて出せるはずもない。クルマ芸人企画が出てこないのは、そうした大人の事情があるからではないでしょうか。

ひとえにマーケットの違い、ただただそれを痛感するばかり。ですから、僕はバイク芸人の話題で盛り上がれば盛り上がるほど、寂しい気持ちになるのです。話題性に頼ったところで所詮一過性のもの、というのは、ヤマハTW200の爆発的な人気につながった2000年の連続ドラマ『ビューティフルライフ』が証明していますから。

誰もがニュートラルにオートバイに親しめるカルチャーづくりに携わりたい、と思っている今日このごろです。

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