2015年3月30日月曜日

期待値高まるハリルホジッチ率いる新生日本代表

[2015年3月27日(金) 日本代表 vs チュニジア代表 @ 大分スポーツ公園総合競技場]

スターティングイレブンを見て、驚きを隠せませんでした。

 【GK】
権田修一(FC東京)

【DF】
藤春廣輝(G大阪)
槙野智章(浦和)
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(ハノーファー)

【MF】
山口蛍(C大阪)
長谷部誠(フランクフルト)
清武弘嗣(ハノーファー)

【FW】
武藤嘉紀(FC東京)
川又堅碁(名古屋)
永井謙佑(名古屋)

ここ数年の日本代表を見慣れた人には、馴染みのない名前がずらりと並びました。ブラジル大会から振り返ると、トップの3人なんて完全に新顔。これにはスタジアムでもどよめきが起こったものと思います。

長谷部、吉田はこれまでの代表チームの背骨として残しつつ、わずかな期間で招集したハリルホジッチ監督の希望選手が先発入り。誤解なきよう言いますと、“先発最強主義”は過去の遺物で、90分という試合時間のなかでどんな展開をコーディネートするかが、現在の指揮官に求められる資質とされます。ただ、その論理はともかく、「私はこういうチームを作っていく」というハリルホジッチ監督の明確な意志が込められたメンバーでした。

【1】監督が目指すスタイルに合った選手を起用する
【2】コンディションの良い選手を優先的に使う


海外組であっても名前では使わないというスタンス。こんなことは当たり前のことなのですが、当たり前が当たり前じゃなかったのがこれまでの日本代表チーム。それを思えば、大きな改革であったことは間違いありません。ハリルホジッチ監督にしてみれば、「何をそんなに騒いでいるんだ?」というところでしょうが。

試合は、後半から途中出場をはたした本田、香川、岡崎の常連3人が貫禄を見せつけての2ゴールで完勝。最後まで決めきれなかったフレッシュな先発メンバーとの明暗がくっきり浮かび上がった結果でしたが、私自身はまったく悲観していません。それどころか、こんなにワクワクした気持ちで代表戦を見たのはいつ振りだろう?と思うほど。

もっとも好印象だったのは、球際の強さ、激しさでした。

ハリルホジッチ監督による指示もあったでしょうが、先発で起用された喜び、そして「これを逃したらもう呼んでもらえないかも」という危機感を抱いた先発メンバーは、「え?そこからプレスかけるの?」という高い位置から猛然とダッシュしてのプレッシングを敢行。まるで高校サッカーのようながむしゃらさは、ここ何年も日本代表では見られなくなったパッションに溢れたものでした。

チームとしてのコンビネーション能力は、お世辞にも高いとは言い難いレベルでしたが、それを差し引いても余りある激しいプレッシングは、チュニジアを自陣に釘付けにすると同時に、ハイプレスからの早い攻撃へとつなげる展開へと結びついていました。練度の高いコンビネーション能力が備わっていれば、前半でゴールを割れていたものと思います。本田、香川、岡崎の功績を軽んじるわけではありませんが、故に彼ら3人の連携力が際立ったのは言うまでもありません。

『週刊サッカーダイジェスト』では、結果を出した3人を平均点以上とし、フレッシュな勢いを見せつつも結果を残せなかった先発メンバーにややシビアな採点としていました。私はこの内容は納得のもので、海外・国内に関係なく彼らはプロとしてピッチに立っているので、結果が出せなければ厳しい採点になるのは当然のこと。「負けたけど、内容は良かった」という弱者のメンタリティーを捨て去る意味でも、そして激励という想いも含め、選手たちにはこの採点をしっかり受け止めてほしいと思います。

次のウズベキスタン戦では、また先発メンバーを替えてくるというハリルホジッチ監督。びっくり箱のような代表チームにワクワクする夜が続きそうです。

0 件のコメント:

コメントを投稿