2015年6月23日火曜日

次の試合で問われるハリルホジッチの真価

■過大評価される日本代表

2018年W杯ロシア大会、アジア二次予選の初戦シンガポールを引き分けで終えた日本代表。終わったことをグダグダ言っても仕方ないですが、反省すべきところはしっかりしてもらわないと。「サンシーロに比べたら50倍マシ」とか皮肉言われても、負け犬の遠吠えにしか聞こえませんから。

さすがのハリルホジッチ監督もショックを隠しきれなかった結果ですが、一方で「さもありなん」とも思います。なぜならば、日本代表の戦い方が不安定なのは今に始まったことではないからです。

よく考えてみましょう。2014年W杯ブラジル大会と比べて、今の日本代表のメンバーってそんなに差がありますか? せいぜい遠藤保仁(G大阪)と柴崎岳(鹿島)が変わったぐらいで、ほぼ同じメンバー。そのブラジル大会で申し分ない結果を出していたのなら、メンバーの大半が変わっていなくてもヨシ、ですが、結果は2敗1分けという散々な結果でのグループリーグ敗退。そして先のアジアカップ、アギーレ前監督のもと、ほぼ同じメンバーで臨んだ結果、ここ10数年で最低のベスト8敗退。

アジアでは上位に位置する実力を有してはいるけど、ちょっとレベルがあがると脆い。それが今の日本代表、ブラジル大会からほとんど何も変わっていない日本代表です。シンガポールに引き分けるというのはもはやネタにしか見えませんが、過大評価されている現状に目を向ける良いキッカケになったんじゃないでしょうか。


■まずはメンバー刷新から

今後の日本代表のスケジュールを見てみると、8月に中国で開催される『EAFF東アジアカップ2015決勝大会』で北朝鮮、韓国、中国と試合を行い、9月3日に再びW杯予選 第2戦 カンボジアをホームに迎えます。

シンガポール戦後、「眠れなかった」というハリルホジッチ監督も東アジアカップをテストの場とし、第2戦への試金石としていくかと思いますが、ここがハリルホジッチ監督の運命の分かれ道だと思っています。

まずは、大胆なメンバーチェンジを行えるか否か。

代表監督に就任して数試合を戦っただけで、まだ戦力の掘り起こしがやりきれていない感はありますが、とはいえ時は待ってくれません。海外組をほぼスタートから使ってあの結果です、“完全に”ではありませんが、若干頭打ちになっていることは明らか。新戦力の掘り起こしは急務です。

ハリルホジッチ監督はかなりJリーグを重視しており、相当数の試合観戦に訪れているそうです。多少未知数なところがあっても、実戦で使ってみることに踏み切ってみるべき。でなければ、ロシア大会での結果など推して知るべし、です。


■実戦とは、W杯予選のこと

“新戦力に実戦経験を”と言いましたが、それは次のカンボジア戦を指しています。東アジアカップは、あくまでテストの場であって、大切な出場権を賭けたW杯予選と同一視はできません。そもそも、対戦相手も予選の真っ最中、テスト色が濃くなるのは日本だけではないでしょう。

人によって好みはさまざまですが、カンボジア戦については注目の若手を中心に国内組のみで挑むべき。ここに海外組は不要です。そもそも2次予選で格下相手のホームという条件で、海外組の力をフル活用しなければ勝てないようじゃ、先が思いやられます。

“背水の陣”みたいな根性論を振りかざすつもりはありません。論理的に考えて、シンガポールをも叩き伏せられない海外組をビジネスクラス(またはファーストクラス)で呼び戻す予算があるぐらいなら、新戦力の発掘という有意義なことに使うべきだと言いたいのです。どれだけ技術と経験を持っていても、大切な場面でその能力を発揮できない“ガラスのハート”の背番号10なんて、僕だったら使う気にすらなりません。

さらに先のW杯本大会を見据えるのであれば、今からこのぐらいのことをやっておかなければ、後で「手札がない」と嘆くことになるのですから。それ、土壇場で大久保義人(川崎)を呼ばなくてはならなくなったザッケローニ監督の二の舞ですよ。

勝つ気があるのであれば、ですが。

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