2015年8月9日日曜日

大型連休時に注意したい運転マナー

■「判断ミス」と「操作ミス」が引き起こす事故
お盆に突入し、ますますクルマの稼働率が上がるこの時期、やはり注意したいのが交通事故。クルマの数が増えれば事故の確率も高まりますし、大型連休時に気になるのが「運転し慣れていないドライバー」による交通事故でしょう。結果的に事故にならなくとも、あわやというシーンが増えるのも事実です。運転が慣れている側、慣れていない側ともに、こうした体験は極力なくしたいと思うところです。

事故というのは、ひとつのミスぐらいではそうそう起こりません。事故のケースを見てみると、“ふたつ以上のミスが重なった際”に発生しています。そのミスの中身は、「判断ミス」と「操作ミス」。つまり、ミスの確率を下げれば事故の誘発率は下がるわけです。それぞれのミスの確率を下げる具体策を見ていきましょう。

【1】 慌てないこと

走り慣れていない地域を走ると、右車線を走っていたら右折レーンに飛び込んでいるなど、予想外の交通規制や道路状況に出くわすことが少なくありません。その際、軌道修正しようと慌てて車線変更しようとし、別のクルマと接触するという事故を引き起こすことも。運転し慣れていないと、「ミラー確認」「目視」「合図を出す」といった基本動作のいずれかを忘れがちになります。「判断ミス」の典型例です。

予定していたルートと異なる道に入り込んだとしても、慌てず確認をすること。少しでも危ないと思えば、諦めてそのまま流れに任せて行ききってしまい、その先でリカバーをはかればいいのです。別に道を間違えたからといって命を取られることはありませんし、ものの数分で予定のルートに戻れます。むしろ他のクルマや人と接触してしまうデメリットの方がダメージ大きいでしょう。

慌てた運転ほど危険極まりないものはありません。

【2】 「〜だろう運転」ではなく「〜かもしれない運転」
教習所で自動車免許を取得した方は耳にした覚えがあるこのフレーズ。「きっと後ろからクルマは来ないだろう」「自分が動いているんだから突っ込んでは来ないだろう」という考え方を表した「〜だろう運転」は、もっとも事故を引き起こしやすい思考です。

「もしかしたらクルマが来るかもしれない」「クルマの影から人が飛び出してくるかもしれない」という「〜かもしれない運転」こそが、運転する際の最良の思考です。何かが起こってからでは遅いのです、何も起こらない日常こそが安全運転のあるべき姿で、そこに「他者への期待値」という不確定要素が入ってはなりません。そういう考え方を持っていると、実際に事故が起こった際に「まさか相手が飛び出してくるなんて……」という言葉が口から出てしまいます。

あらゆる“危険の芽”を摘み取るうえで必要なのが、「〜かもしれない運転」なのです。

【3】 自分のスキルを過信しないこと
仕事柄、日常的にクルマを運転している人でさえ、想定外の事態に出くわすのが大型連休。私も仕事でなければ、大型連休時にはクルマやバイクで出かけたりはしません。こちらがいくら注意をしていても、日常では考えられない動きをするクルマが急増するからです。

慣れている人でさえそうなのだから、「クルマに乗るのはもっぱら休日だけ」「年に一度の帰省で実家まで」という方は、思いつきでの車線変更や強引なリカバーなど、軽率な運転は控えましょう。周囲には皆さんよりも速いスピード感で動いているドライバーが多いので、結果的に彼らの動きを阻害し、接触事故につながるケースがあります。

【4】 休憩はこまめに取る
交代もせず運転し続けていれば、知らず知らずのうちに体力が削がれていきます。「普段乗っている営業車より快適だから大丈夫」と言っても、運転に費やす体力や集中力は相当なもの。引き起こされる事故の大きさと比例すれば、その消耗度合いがお分かりいただけるかと思います。

「少しでも早く目的地に着きたい」という思いはよく分かりますが、無理をした結果として事故を引き起こしてしまったら本末転倒。むしろ経済的にも精神的にも大きなダメージを負ってしまい、マイナス要素しか手に入りません。サービスエリアやパーキングエリアで15分ほどの仮眠を取るなど、心身ともにベストな状態に近づける意識を持ちましょう。

【5】 高速道路ではずっと右車線を走らない
大型連休に限ったことではありませんが、結構多いのがこれ。前述したとおり、皆さんより速くドライブするクルマは多いのです。これは運転し慣れている私でも同じこと。この世には、上には上がいるのです。その人たちの動きを阻害することは、結果的に交通渋滞の引き起こしにつながります。

ポイントは、「右車線を走っている際」、「前方にクルマが走っておらず」、「後方にクルマが連なっている」という状況か否か。上記の3つが当てはまるシチュエーションは、あなた自身が交通の流れを阻害しているということ。イヤな言い方かもしれませんが、あなた自身が交通渋滞の要因になっていることでもあるのです。その際は、より安全な方法で、右車線から離脱しましょう。

後ろから迫ってきた速いクルマに煽られたりパッシングされたときも、同様に速やかな離脱をしましょう。その際は【1】にあるように、慌てないこと。強引な車線変更は、二次災害を引き起こします。

【6】 同乗者こそがドライバーを気遣おう

クルマはますます進化を遂げ、室内環境は以前では考えられないほど快適になっています。そのこと自体は歓迎すべきことですが、そのことがドライバーの集中力の弛緩につながることも。

ドライバー自身も注意すべきですが、同時に同乗者にも気遣いが求められるのです。なぜならば、自分の命をそのドライバーに預けているわけですから、日常以上に集中力と体力を消耗しているドライバーを痛めつけるのは、結果的に自分自身を危険に晒すということ。

何事もなく目的地に着き、無事に帰宅できることがもっとも大切。ドライブそのものをより楽しくするために、同乗者にも運転に対する配慮が求められます。


運転スキルに関係なく、それぞれがそれぞれの事情で走っている大型連休時の道路状況。そのなかで自分勝手な判断で動いた結果、引き起こされる交通事故。もっとも最悪なのは命が失われることで、そこに至らずとも、怪我をする、事故処理に時間を取られる、その後のやり取りにさらに時間を要するなど、ちょっとした不注意や軽率な行動で、長らく不愉快な想いを強いられることになります。

事故発生率が高まる大型連休に飛び込むにあたり、さらっとでいいのでこの項目を読み返して、無事に帰宅するための運転を心がけてみてください。

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