2015年1月7日水曜日

次期日本代表監督にはぜひ“イタリアの闘犬”を!

いよいよアジアカップに挑むサッカー日本代表。ですが、ちょっと不必要なことで周辺が騒がしくなっています。アギーレ監督の八百長疑惑問題がその発端で、現時点ではシロともクロとも言えない状況から、なんともまどろんだ雰囲気が漂っているように見えます。選手側としては「いつまでもそんな話を引っ張らないでくれ」というところでしょう。もちろん面白半分で取り上げているメディアは論外ですが、かといって何事もなかったかのようにスルーできるほど軽い話ではないのも事実。

とりわけ、日本サッカー協会は頭が痛いところでしょう。クリーンなイメージから、多くのスポンサーを集めてきた日本代表にダーティな印象を持たれる……。協賛している企業にとっては、とばっちりもいいところ。これでスポンサーが引き下がっていきでもしたら、せっかくのワールドクラスの監督招聘が裏目に出たことになります。協会側のリサーチ不足に端を発するところではありますが(アギーレ獲得に動き出している最中に、そういう噂話は必ず耳にしていたはず)、一番釈然としないのは、疑惑の指揮官のもと、コンフェデレーションズカップ出場権獲得という重要な任務を背負わされている選手たち。いずれにせよ、アギーレ体制でアジアカップを戦うことに変わりはないので、本大会に関してはこのまま生暖かい目で見守るほかないでしょう。

問題は、大会後。アギーレ体制が継続するのか、否か。

成績次第で……という声もあるようですが、八百長疑惑とアジアカップの成績は関係ないでしょう。現体制のままアジアカップに挑むのは、タイミング的に指揮官を代えた際のダメージの大きさを考慮したから。こと八百長疑惑という点については、まったく違う観点から議論されるべきです。

私個人としては、解任でいいと思っています。アギーレという人物の能力を疑問視してはいませんし、協会が「彼以外考えられない」というのなら死ぬ気で庇いながら続けるというのもテです。が、まだチーム再編が始まったばかりの今、アギーレでなくてはならない理由はとりわけ見つからず、かといって協会が死にものぐるいでアギーレを守ろうという姿勢も見えないので、さっさと後任人事を進めて代えてしまえば?と思うのです。別に、次のロシア大会までひとりの人物に4年間まかせなきゃいけないルールもありませんから。

解任とした場合、後任にふさわしい人物像は? 協会がすでに動いているものと思われますが、あえて代表監督に希望する人物像を描いてみましょう。とりあえずW杯ロシア大会を目標とした場合、アギーレ体制ですでに一年を消化しているので、“残り3年でどこまで強くできるのか”が課題となります。

世界のリーグで指揮を執った経験がある人物なら、海外組の能力はある程度把握できているでしょう。問題は、Jリーガーとどう融合させ、今以上のチームにできるか。ひとつの指標となるのは、ブラジルW杯での惨敗。ザッケローニの指導力の低さは、選ぶ人物次第でリカバー可能です。コンディション不良?これも次期監督のスケジューリング次第。

Jリーグに精通しているか否か……。これが難しい。ただ、これは考え方で、“有能なJリーガーを選んでチームを構成する”よりも“新指揮官が描く理想のスタイルに適した選手を選ぶ”とすれば、数ヶ月かけてJリーグ行脚をしていただいたうえで好みの選手をチョイスしてもらえばいいわけです。

代表監督経験もある明確なスタイルを持った世界的名将……ファビオ・カペッロ(現ロシア代表)やルイス・ファン=ハール(現英マンU監督)などでしょうか。ギャラも高額ながら、現職を投げ打って極東の代表チームに来てくれるとは思えません。

ある程度“穴場”を狙わなければならないわけですが、個人的に薦めたい方がひとりいます。イタリア代表としてW杯制覇を経験した“闘犬”ジェンナーロ・カットゥーゾです。



ふざけていると思われるやもしれませんが、私は大真面目です。ブラジルW杯での惨敗の理由として、ひとつに“ハートの弱さ”があったと思います。気持ちだけでプレーすることはできませんが、気持ちや気迫は間違いなくプレーに表れます。はっきり言いますが、ブラジルW杯での日本代表の戦いぶりは、正直「本気でやってる?」と聞きたくなるほど頼りなく、不甲斐ないものでした。

強固な鉄門の前に立ちはだかる番犬として活躍したガットゥーゾは、代表でW杯を、クラブ(ACミラン)でUEFAチャンピオンズリーグを制覇した“頂点を知る男”です。現在ギリシャリーグのクラブで監督業に勤しんでいるそうで、しっかりしたギャランティと日本サッカーが目指すべき方向性と志を示せば、心を傾けてくれるんじゃないでしょうか。それこそ、ザッケローニ・コネクションを使ったっていいでしょう。

「なんつったってオレは周知のとおり、超のつくド下手だからな。それこそアンドレア(・ピルロ)みたいに上手いなら話は別だが、そうじゃないオレはもう走るしかない。人の2、3倍なんてレベルじゃないぜ」

現役時代のインタビューではこんな話をし、そして「ボランチに必要な要素は?」という問いかけに「気合い。これだけさ」と言ってのけるガットゥーゾ。少しでも日和った意識で代表に来れば、ガットゥーゾ監督に噛みつかれること間違いなし(比喩ではありません)。たとえ試合中でも、気の抜けたプレーをすれば叩きのめされることでしょう。

別に代表選手を痛めつけたいってわけではありませんが、ブラジルでの頼りない戦いぶりを見せられた側としては、フォーメーションや戦術云々はさておき、“本大会で一勝もできなかった国”として何から手をつけねばならないか、それを明確に示してくれる人物だと思うのです。

3-4-3? 4-2-3-1? ここまで堕ちたのなら、そんな議論は二の次、三の次です。まずは走る。相手の誰よりも走る。そして守るときは徹底的に守る。足で止めるのではなく、体で止める。死にものぐるいでボールを奪い、考え得る限りの最高の方法でボールをゴール前に運び、全員でゴールにねじ込む。

なぜ、そんな泥臭いことをしなければならないか? ブラジルで惨敗したからです。一勝も挙げられなかったからです。アジアの弱小国だからです。海外のトップクラブに所属しているとか、そんな肩書きは何の役にも立ちません。本田圭祐とて、クリスティアーノ・ロナウドやメッシのような“ひとりで試合を決定づけられるスペシャルワン”ではないのですから。

世界の頂を見た経験を持ち、戦う意味やチームへの献身を知る男、ガットゥーゾは申し分ない人物だと思います。きっと、今まで見たことがないような戦闘集団へと変貌させてくれるのではないでしょうか。




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