2014年6月6日金曜日

最先端から加速するイタリアンバイク


2014年6月5日(木)、東京・新木場のスタジオコーストにて催されたドゥカティジャパン主催のイベント「Monster 1200 National Launch」にて、最新モデル「モンスター1200」および「モンスター1200S」が発表されました。また株式会社カプコンの人気ゲームソフト「モンスターハンター」とコラボレーションしたモンスター1200 モンスターハンターバージョンも発表されるなど、かつてないほど大きな話題を呼ぶイベントとなりました。

Monster1200 × Monster Hunter
この「モンスターハンター」というゲーム、僕はやったことがないので聞いたままの説明となりますが、このゲームのシリーズを通して人気の「リオレウス」をイメージし、カプコンがデザインをおこしてドゥカティがハンドメイドで仕上げたコラボレーションモデルがこれ。話自体はカプコンから持ちかけられたそうで、ドゥカティジャパンはふたつ返事で了承、ことはかなりスピーディに進み、当初予定していた以上の早さでここまでこぎ着けたのだという。このコラボバイクはドゥカティジャパンのウェブサイトや正規ディーラーなどで受注生産での販売を行っていくとのこと。同ゲーム10周年を記念したというアニバーサリー仕様でもあるので、ファンの方にとっては見逃せない一台と言えるでしょう。また日本各地で開催される「モンスターハンター」のイベント会場にも展示されるそうなので、気になる方はぜひ実車をご覧になってください。

Monster1200 × Monster Hunter
 “火竜”リオレウスの真っ赤な鱗と吐き出すブレスを表現したデザイン、ハンドメイドで丁寧に仕上げたとあって、間近で見るとすごい迫力です。ちょっと写真では表現しきれないグレードですね。


モーターサイクル業界からの視点という意味で言えば、こうしたドゥカティの試みは革新的。最近では熊本県のゆるキャラ「くまモン」とコラボレーションしたバイクが登場するなど、免許を持っておらずバイクというものに関心が持てていない一般の人に向けて、こうしたアプローチをするというのは大きな意味を持っています。やはり“バイクに乗る”というのは、実際に取り組むとなるとハードルは低くなく、それゆえ一般の方々との温度差もかなりあるからです。

例えば400cc以下のバイクに乗るとした場合、「免許を取る」「バイクを買う」「必要な用品(ヘルメットなど)を買う」「置き場所を考える」といったことが必要になってきます。最初の三つに取り組むのでもかなりのお金と労力を要するのは想像に難くないかと思います。これがドゥカティなど大型バイクともなると、さらに大きな力が求められるわけです。

そうしたことをすべて乗り越え、モーターサイクルの世界を楽しむライダーは大勢います。その原動力となったのは、「このバイクに乗りたい!」という激しいモチベーションにほかなりません。何をおいても手に入れたいという強い欲求が、興味がない人からすれば理解できないであろういくつものハードルを軽々と超えさせてくれるのです。かくいう僕も同じクチで、実際にバイクに乗るようになったのは20代後半のこと。遅咲きも遅咲きですが、別に若くから乗っていなきゃいけないルールなんてありませんからね。こうした人気ゲームとのコラボレーションをキッカケに、「モーターサイクルに興味を持ってもらいたい」というドゥカティの試みは、エンスージアストの色濃さが際立つモーターサイクル業界に新しい風を吹き込むことになると思います。

「バイクは危険な乗り物」と言われますが、おっしゃるとおり。クルマと比べれば安全性という点で大きな差があります。しかし、モーターサイクルに乗ることでしか味わえない快感や感動がそこには存在します。それを知るためには実際に乗るのが一番ですが、“乗る”というところにたどり着くにはキッカケが必要。もちろん乗るようになってから学ぶべきことは多々ありますが、キッカケを経てモーターサイクルに興味を持ってもらい、その楽しさを知ってもらいたいと常々思っています。そういう意味で、今回のドゥカティのプロモーションは、企業として大きく評価されていい試みだと思うのです。
 
ゲストとして、永井 大さんと釈 由美子さんが登場
DUCATI Monster 1200S
また、「さすがイタリアが生んだモーターサイクルメーカー」と感心させられたのは、モデルを生み出すまでの過程。「こんなバイクをつくろう」と最初にデザイナーがスケッチをおこし、そこから開発が始まるわけですが、当然その過程で「これはできない」、「ここは合理性を優先してこうしよう」という話が出てきて、結果的に最初のイメージとは似ても似つかないものが出来上がるということ、多々あることと思います。しかし、そこはさすがのドゥカティ、何事においてもデザイナーのファーストスケッチが優先され、イメージしたデザインのモーターサイクルに近づける努力を惜しまないのだと言います。これはドゥカティだけでなく海外のモーターサイクルメーカーに共通する“デザインありき”の哲学で、メーカーによってカラーは異なるものの、日本のメーカーにはない“色気”がそこかしこから匂い立っているのです。女性のボディラインをイメージしているというドゥカティにいたっては、全身からフェロモンが解き放たれているよう(笑)。

 「もっと多くの人に、モーターサイクルに触れてもらえる機会を持っていただきたい」という情熱がひしひしと伝わってきた今回のドゥカティ プレスカンファレンス。今後、さらに大きな試みを用意しているということで、非常に大きな期待を抱いてしまうところです。これからもドゥカティの革新的な動きには注目していきたいですね。


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