2014年5月18日日曜日

カフェレーサー時代の到来? #04

前回、3本立てでお送りしたカフェレーサー記事。「カフェレーサー、流行ってるよね」という某カスタムビルダーの言葉を他人事のように聞いてまとめたのですが、よくよく思い出してみれば、特に昨年のカスタムショーからカフェレーサー仕様のスポーツスターって増えてたよなぁ、と思い出したのです(笑)。


そんなことを考えている最中、何気なく見たこのPVにビックリ!



B'zのヴォーカリスト稲葉浩志さんのソロ『Stay Free』のPVなんですが、ご本人がカフェレーサーで都内を疾走しまくっているではありませんか。しかもバイクがまたスゴイ。かつてゼロエンジニアリングの名を日本中に知らしめたビルダー、木村信也さん(現チャボエンジニアリング/アメリカ在住)が手がけたMVアグスタ。これ、一台いくらすると思っているのかと小一時間。

撮影場所は、ゲートブリッジやレインボーブリッジ、首都高速道路と、僕が雑誌やウェブの車両撮影時に用いているところばかり。バイクもライダーもカッコいい、撮影内容も編集能力も高いと、いろんな意味でズルいPVです(笑)。こういうところにも、カフェレーサーの潮流を感じずにはいられません。


そんなこんなで……過去に取材(撮影)した記事や写真データを見返してみると、出てくる出てくるカフェレーサー。文化としてはトライアンフやBSA、ノートン、日本では主にSRがベース車両に選ばれるカテゴリーですが、近年のハーレー……とりわけスポーツスター人気の高騰により、カフェレーサーというカテゴリーにまでカスタムの手が進出してきたというところでしょう。改めて、スポーツスターのカスタムっていろんなことができるんだなぁ、と感心した次第です。


というわけで、カフェレーサー スポーツスターをぞろぞろとご紹介していきましょう。ちなみに、一般的にカフェレーサーと言えばセパレートハンドル、そしてバックステップが装着されていることと言われます。が、ここでご紹介するスポーツスターに関してはその限りではなく、解釈の仕方にもよりますが、セパハン、バックステップ、ビキニカウルなどが装着されていることを前提とさせていただきます。


まずはこれ、RSD(ローランド・サンズ・デザイン)のコンプリートモデル。
RSD Caferacer
ラバーマウント スポーツスターをベースとしたカフェレーサー。特にRSDブランドで登場したセパハンキットが人気を博しており、H-D正規ディーラーでこれを用いたカフェレーサーモデルが続々と登場しておりますね。ちなみにこちらはXL1200X フォーティーエイトがベースのよう。限りなくレッドに近いピンクというカラーリングも斬新です。


H-D city nakano ver.01
そのRSD製セパハンキットでカスタムされた正規ディーラー、ハーレーダビッドソンシティ中野のカフェレーサー。ステップこそノーマルですが、レーシーでシャープなシルエットが美しいですね。このあとのメニューとしては、マフラーをメガホン型にして、ホイール換えて……というところでしょうか。


H-D city nakano ver.02
そのシティ中野がカフェレーサー第2弾として出したモデルがこれ。微妙に印象が異なるのは、フューエルタンクでしょう。上記はフォーティーエイト用のピーナッツタンクですが、こちらはXL883Nアイアンなどの12Lフューエルタンク。ノーマル状態のマウント位置でカラーリングだけオリジナルなのですが、そもそもノーマルのマウント位置が上すぎるので、ハンドルを低くすると猫背のようなシルエットになっちゃいます。ピーナッツタンクのマウントがどれだけ優れているかを証明してしまったようなもの。


unknown
こちらは名古屋のカスタムショー JOINTS (ジョインツ)で見かけたカフェレーサー。ショップ名を存じ上げないのですが(ごめんなさい)、セパハンにバックステップ、ビキニカウルという三枚板。独特の面構えもそうですが、攻撃的な印象のマフラーもイイですね。


SHIUN CRAFT WORKS
こちらは昨年の神戸ニューオーダーチョッパーショーに出展されていたシウン クラフトワークスのカフェレーサー。代表の松村友章さん曰く、「カフェレーサーはバックステップとセパハン、またはビキニカウル」とのこと。どちらかと言えばロケットカウルですが、松村さんらしい解釈のカフェレーサーですね。


KEN'S FACTORY
こちらは愛知の雄、ケンズファクトリーの一台。すべてのデザイン、カラーリングがこの一台をインパクトづけていますね。信号待ちでこれと並んだら、絶対にオーナーとは目を合わせません(笑)。


motorgarage GOODS
一昨年の大阪モーターサイクルショーに出展されたカスタムカフェレーサー。手がけたのは大阪のカスタムショップ、モーターガレージグッズ。今もそうですが、SRのカスタムショップとして名を馳せているので、カフェスタイルはお手の物でしょう。


motorgarage GOODS
こちらもグッズのカフェレーサー。昨年取材させていただいた一台です。独特のビンテージルックにまとめられたカフェレーサー、かなり面白いスタイルです。


motorgarage GOODS
こちらもグッズのカフェレーサーで、神戸で取材したユーザーさんのバイク。XLCRをイメージしつつも、グッズらしいテイストでまとめられていますね。カワサキの旧車のものというフューエルタンクを用いていたのが印象的でした。


MANXMAN GARAGE
カスタムショー×カフェレーサーと言えば、思い出すのがここマンクスマンガレージ。もはや定番化したこの一台ですが、どれだけ見ても見飽きないスタイルが魅力です。個人的には、リアホイールはディッシュ化したくないかな(笑)。


WESCO
画像を見ていて驚いたのがこれ、昨年のホットロッドカスタムショーのWESCOブースに展示されていたエヴォのカフェレーサー。WESCOがこんなバイクを持ち込むとは、実に驚きました。


RUDE ROD custom cycle
神戸のニューカマー、ルードロッドのフォーティーエイト カフェレーサーがこれ。エンジンのインパクトを強める目的か、タンクやフェンダーはもちろん、マフラーまでブラックアウト。セパハンキットはRSD製ですが、「ポジションが辛くならないように」と、そのままポン付けせず、ギリギリのところでマウントさせているという職人技が隠れた一台なのです。


BLACK CHROME BIKE WORKS
カフェレーサーというと趣が違うかもしれませんが、らしい解釈でまとめられたブラッククロームの一台。現代のストリートシーンを意識した、という意味でも、カフェレーサーにカテゴライズされるべきスタイルでしょう。


BLACK CHROME BIKE WORKS
同じくブラッククロームから、これまた個性的なカフェレーサーが。シャンパンゴールドのカラーリングとシートカウル、独特のハンドルバーと見どころ満載な一台、最近は各バイク雑誌で取り上げられるなど注目を増してきています。


HIDE MOTORCYCLE
このスタイルを得意とするショップとして、ヒデモーターサイクルを外すわけにはいきません。この一台は、ビルダー ヒデさんのセンスが最大限に発揮されたものと言えるでしょう。実際に試乗させてもらいましたが、なかなかタイトなポジションにされているものの、乗っていて楽しいですし、これで夜の都心を走り抜けたらテンションあがるだろうなぁ、と思いました。


user custom
こちらは埼玉スポーツスターミーティングにて取材したユーザーカスタムのカフェレーサー。といっても、そのほとんどは馴染みのペイントショップが手がけてくれたのだそう。スポーツスターでカフェレーサーに、という取り組みをしていけば、自ずとこういうスタイルになる……という好例でしょうか。


user custom
こちらもイベント取材時に撮影したユーザーのカフェレーサー。すべてオーナー自身がパーツを取り寄せてカスタムしたのだそう。ここまでまとめられるセンスと手腕はお見事!


BMW Motorrad Concept Ninety
そして、番外編と言ったら語弊があるかもしれませんが、ある意味今のカスタムシーンを牽引する存在とも言えるのがこれ、BMW Motorrad Concept Ninety。冒頭のビルダー、ローランド・サンズがアドバイザーを務めた至高の一台は、そのプロジェクト発表とともに世界に衝撃を与えました。そして彼らが選んだスタイルがカフェレーサーだったというのは、流行の最先端がこれだと彼らが嗅ぎ取ったからに他なりません。


ritmo-sereno
そのConcept Ninetyのイメージソースとも言われるのがこれ、西東京のヨーロッパ系モーターサイクル カスタムショップ リトモセレーノのR90S レーサー。日本のセンス、日本のカスタムシーンが世界から注目を集めている象徴とも言える一台です。


ritmo-sereno
リトモセレーノ(というよりは、現46works代表の中嶋志朗さん)が得意なカフェレーサースタイル。辿っていけばここに来るのか……という印象を抱かずにはいられません。もともとはイギリス発祥の文化ながら、日本のモーターサイクルシーンでさらなる進化を遂げたカフェレーサー。

現在の流行の震源地は主にヨーロッパ、そしてアメリカのようですが、まわりまわって日本が中心となる日が来るかもしれませんね。特に海外メーカーがストリート、カフェレーサーをテーマとするモデルを手がけていることから、その流れが日本に流入してくることで、新しいカルチャーとして若いライダーを刺激してくれるかも。

今後も日本と海外、両方のカスタムシーンに注目していこうと思います。
 


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