2014年5月30日金曜日

代表チームのユニフォームは民族衣装です

もはや恒例行事となっているワールドカップ本番に挑むおニューユニフォームお披露目会。日本のみならず、各国ともこぞって新デザインのものをドロップしてきますね。最近はアディダスやナイキの二大勢力とサプライヤー契約を結んでいる国が多く、どちらもテンプレート化したものをベースに、今までどおりのデザインを取り入れたホームユニフォーム、そして今までとはちょっと違った切り口にしたアウェイユニフォームを取り入れるのがトレンドになっています。

日本代表もアディダスと契約していることから、ご多分に漏れずこのトレンドに乗っかっていますね。基本的にホームが青一色のシャツに対し、アウェイは真っ白なものでした。北京五輪のときは、中央に燃えさかる八咫烏(日本サッカー協会のシンボル)が描かれた真っ赤なアウェイユニフォームが話題を呼びました。八咫烏は余計だけど、真っ赤なユニフォーム、僕は結構アリでした。そもそも、僕がサッカー日本代表というものを意識して見るようになったのが1990年頃で、そのときのホームユニフォームは真っ赤だったんです。まぁ、お隣りの中国や韓国のユニフォームが赤いので、いろいろ面倒ではありますが。

さて、今回の2014年ワールドカップ ブラジル大会に挑む日本代表のユニフォーム、とりわけアウェイユニフォームについて賛否両論のようです。


……まぁ、これはないわな。
僕自身もそうですが、最近のトレンドで言えばユニフォームのデザインはシンプル イズ ベスト。スパイクはというと真逆でだんだんド派手になっていっていますが、今はテンプレート化したものにメインカラーありきで、差し色で1〜2色使うぐらい。それも、本当の添える程度。そういう意味で、日本も世界の潮流に合わせて作っているということですね。

ただ、この色はちょっと……(笑)。
イギリスの某紙では、
「日本代表チームは、ブラジルのスタジアム建設がまだ完全には終了していないという噂を真剣に受け取りすぎてしまったがために、工事現場で使用されるような蛍光色をユニフォームに取り入れたらしい」
と皮肉たっぷりの評価とともに、5点満点中、1点という採点。まぁ、そう言われても仕方ないですね。

シンプルで美しいのは、開催国ブラジルやフランス、イングランドなど。


気品というか、センスというか、その国らしさが出ています。

そう、代表チームのユニフォームって、民族衣装だと思うんです。最近だとプーマが契約をしているアフリカ諸国のユニフォームは、ポイントとしてそのお国柄をイメージした模様を入れたりしているんですよね。イタリアなんかはアズーリ(青)ってイメージが完全に定着しているから、あの真っ青なユニフォームで登場しただけで「おぉ、アズーリだ……」という畏敬の念が浮かんできます(昔はメーカーロゴすら入れない徹底ぶりだったのですが)。ブラジルやドイツ、スペイン、アルゼンチン、イングランドなどなど、それぞれが“らしい”デザインでまとめ、長年愛用してきたことから“その国としてのイメージ”が定着しているのでしょう。



最近僕が「あぁ、いいなぁ」と思ったのはベルギー。


スイスのメーカー Burrdaが手がけたもので、ホーム/アウェイ/サードの3着で、国旗の3色を表すという面白い試み。元々真っ赤なユニフォームがホームのベルギーだったので、この組み合わせは面白い発想から生まれた好例だと思います。

翻って日本ですが、5大会連続でワールドカップに出場しているということで、すでに青いイメージも……と思われがちですが、そこは日本人らしく謙虚に、「もっと良い戦いぶりを見せて、“日本と言えば青いユニフォーム”と覚えてもらおう」とすればいいんじゃないでしょうか。ちなみにユニフォームが青いのは、四方を真っ青な海に囲まれた島国であることを表現しており、エンブレムの八咫烏は日本神話に出てくる神の使いで、日本を世界の頂点に導いてくれる水先案内人としての役割を表現しているそう。


で、この蛍光イエローですが、何の脈絡もない。日本に蛍光イエローで表現すべき名物または名産がありましたでしょうか。工事現場の作業着というのはいささか嫌みが過ぎますが、一方で採用した側(日本)にも根拠と言える理由がない。

本当に理由はないのか? と思ってアディダスジャパンのサイトを見に行ったら……書いていました。曰く、

「開催国ブラジルのカラーであるイエローを全面にあしらうことで、“開催国ブラジルの人々にも、サッカー日本代表を応援して欲しい”という想いを表現しています」

と……。呆れてものが言えません。開催国の顔色伺いで自国のユニフォームカラーを決めるとは、どこまで媚び諂ってんだ、と。要するに、理由づけは後からのもので奇をてらいたかったのでしょう。もう安直すぎて、言葉がありません。こんな決め方をしているから、代表チームもロクに強化されないんじゃないのかな。日本サッカー協会には、日本らしい謙虚さを持ち合わせた人間がいないのでしょう。実に残念です。

まぁ、これでブラジルの地で惨敗でもしようものなら、この蛍光イエローは二度と採用されないでしょうからそれもまたヨシ、かもしれません。

ちなみに、個人的には代表チームのサプライヤーはミズノかアシックスに務めていただきたいと常々思っております。それぞれメイド イン ジャパンの名に恥じないメーカーですし、ブランド製の高いサッカー日本代表チーム(男子、女子とも)のバックアップとなれば、我が国産業の促進と経済発展にもつながります。何が悲しくて、自国の代表チームを使ってドイツを儲けさせなきゃいけないのか正直理解できない。

今回のブラジル大会を機に、日本代表のサプライヤーが変わるという噂がまことしやかにあがっており、ナイキとミズノが有力候補だそうです。アメリカを儲けさせてもTPPで喰いものにされるのを手助けするだけですので、なんとかミズノに頑張ってもらいたい。今まで一度も日本代表のユニフォームを買ったことがない僕も、ミズノなら買っちゃうかも。

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