2014年5月13日火曜日

ハーレーダビッドソンの色

今年3月までハーレーダビッドソン専門ウェブサイトの編集担当をつとめ、フリーとなった今もハーレーダビッドソンとは密なるお付き合いをさせていただいている今日このごろ。今後活動展開していく場でも、いかに多くの方に「ハーレーダビッドソンの知られざる魅力」についてお伝えしていけるか、を考えていきたいと思っている次第です。そんな決意表明はどうでもいいのですが、ふと、意外に知られていないハーレーダビッドソンの魅力――色、カラーリングというものについてお話ししたく思います。

FLHTK TC Limited

他メーカーと違って特異なポイントを多数有するハーレーダビッドソンですが、そのひとつとしてカラーリングが挙げられます。とにかく多彩、バリエーションが豊富。もちろん他メーカーもペインティング等には力を入れておりますし、この塗装技術というのは実に難易度が高いもの。僕のスポーツスターも3年ほど前にフルカスタムを敢行、すべてニューカラーにペイントしていただきましたが、その裏側を聞くだけでも「そんなに手間がかかっているの?」と、素人丸出しで驚かされる次第。


魅せてナンボ、カッコよくてナンボ!が信条のハーレーダビッドソンがペイントにこだわるのは当然っちゃあ当然なんですが、実はこうしたバリエーション豊富なカラーリング、アメリカで見るのと日本で見るのとでは、まったく違うのです。


それは、それぞれの国の環境が違うから。日本はアメリカに比べて多湿で、一方アメリカはどれだけ暑くても空気が乾燥しているから、肌にまとわりつくような ジットリした暑さにはなりません。そう、空気中に含まれる水分の量によって、まるで違うカラーリングであるかのように見えるのです。実際、僕は抜けるよう なアメリカの青空のもとでこのウルトラを見続けていたのですが、帰国後に同じカラーのウルトラを見たとき、「あれ? こんなくすんだ感じだったっけ?」と思えたほど。日本で見る以上にパキっとしたカラーが映える国だからこそ、「ここ、ばっちり決まってないとカッコつかな いよね」という論理になるのでしょう。


アメリカの、ペインティングというものに対するこだわりは相当なもの。質こそ違えど、その情熱はものづくりにこだわる我々日本人と遜色ないものだと言えま す。ことモーターサイクル関連(車体はもちろん、ヘルメットなど)について見ても、時代によってデザインや風合いがまったく異なるところが面白いところ。


例えばヘルメットですが、1950年代に四輪用ジェットヘルメットが誕生し、一般的に普及をはじめるのは1960年代に入ってから。まだ白(というかク リーム、というかベージュ)一色のものばかりだったのが、1960年代後半から1970年代にかけ、さまざまなデザインが取り入れられ、そのバリエーショ ンは無限と思えるほどに。現行ハーレーダビッドソンの車体にも取り入れられているキャンディフレークですが、これが世に登場したのは1970年代前半。つ まり、キャンディフレークを車体に取り入れている現行ハーレーダビッドソンは、カスタムシーンの全盛期だった1970年代へのオマージュと言っていいもの なのです。


このキャンディフレークや現行ハーレーダビッドソンのペイントは、カラッと乾いた空気が広がるアメリカの青空のもとで見ると、日本で見るそれと同じものと は思えないほどきらびやかに輝いています。それも、いやらしくギラギラしているわけではなく、パキっとした鋭くも美しい風合いなのです。


今や海外旅行は珍しくなくなっているので、アメリカに行かれる機会がある方は、ぜひ街中にとまっているハーレーダビッドソンに目を向けてみてください。今までとは違ったカラーに見惚れてしまうこと請け合いです。

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